「毛沢東は日本軍と共謀 阿片で巨利!」?

今年の5月、次のようなコメントを頂戴しました。

Question 2017/05/06 12:45
慰安婦で思い出したのですが、「韓国民に告ぐ!反日という甘えを絶て」という本を書いた金文学が
15年戦争関係でWikipedia毛沢東で引用されていて
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%9B%E6%B2%A2%E6%9D%B1
>毛沢東は裏で日本軍と手を結び、蒋介石と日本を戦わせて漁夫の利を得ていた。
>延安で八路軍が栽培していたアヘンの販売で日本軍と結託していた。
>また積極的に占領区内の日本軍と商売を行い、晋西北の各県は日本製品であふれていた。
>中共指導者と日本派遣軍最高司令部の間で長期間連携を保っていた。
>毛沢東代理人は、南京の岡村寧次大将総本部隷属の人物であった
>引用:金文学「毛沢東は日本軍と共謀 阿片で巨利!」『歴史通』2013年1月号
(http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20170430/p1#c1494042340)

どうせ与太話だろうとは思ったのですが、念のため『歴史通』の当該記事を入手してみました。それによると、ウィキペディアにある記述は辛灝年という人物の『誰是新中国』という本(1999年)に依拠したとされています。書誌情報からして怪しげな本なのですが、ややこしいことに
辛灝年の方はさらにその主張をタス通信特派員ピョートル・ウラジミロフの『延安日記』に依拠して行っている、と金文学はしています。だったらこんな伝言ゲームのようなことはせずに、最初っから『延安日記』を持ち出せばよさそうなものです。現在は品切れとはいえ、『延安日記』はサイマル出版会から邦訳が刊行されていました(上下巻、1975年)。どうも“ソース・ロンダリング”くさいですね。
以上、とりあえず途中経過のご報告まで。