『タイガーフォス』を買う人々
アメリカ第101空挺師団の「タイガーフォース」小隊がヴェトナムでおかした戦争犯罪を追及した、オハイオ州の地方紙の調査報道を単行本化したもの。2004年のピュリツァー賞を受賞。実は今日買ったばかりでまだ読んでいないのだが、ピンと来てAmazonの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」をチェックしてみると実に香ばしい結果が。10月8日の午後の段階では次のような「商品」が並んでいる。
- 『よくわかる慰安婦問題』、西岡 力
- 『日本人が勇気と自信を持つ本―朝日新聞の報道を正せば明るくなる』、高山 正之
- 『情報戦「慰安婦・南京」の真実 完全保存版―中国、朝鮮半島、反日メディアの連携を絶て!』、西村 幸祐
- 『「南京事件」の総括』(小学館文庫)、 田中 正明
- 『中国の黒いワナ』((別冊宝島Real 73)、青木直人・西尾幹二・佐藤優
いやまさかこれほどとは。きっとこれらの商品を買った方々は、アメリカオハイオ州にまで及んでいる「自虐史観」と「偏向報道」に震撼し、アンチ自虐教育のための国際的な連帯を目指しているに違いない。いや、そう定義します!
「タイガーフォース」小隊による虐殺事件が起こったのは1967年、報道されたのが2003年、事件から36年経ったときのことである。本多勝一氏による『中国の旅』のルポがはじまったのが1971年で南京事件(日中戦争勃発)から34年後のことである。「昔のことを蒸し返すな」というクリーシェに反して、この種の犯罪が明らかにされるのにはしばしばこれくらいの時間がかかるものだ、ということがよくわかる。