「南京事件否定論者兼ホロコースト否定論者」また発見

本館の掲示板でホドロフスキさんのコメントを読んで、ちょっと調べているときに発見したネタ。
2CH・グースの質問掲示板&ブログ投稿場所
2007年 9月17日(月)07時31分39秒の投稿。

グースさんはもう何週間も前に目にした情報かとは存じますが…
ホロコースト否定論にはまってしまい,説得も失敗した(まあ,私の知識水準で成功する方が奇跡だが…)ブログですが,ちょっと情報を集めるのに見ていたら,以下の書き込みを見つけました.
http://blog.goo.ne.jp/ojisannsama/e/b03d11f09fde954c50ab23cae0d7785d
(以下を見ると”トリミング”どころか,問題になる部分は取り上げて批判しているように見えるが.
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20070729/p1
)
(後略)

そう、私を「出入り禁止」にしたEmmanuel Chane氏です。妙にフェアな(笑)紹介のされかたしてますが。で、ここでもまたホロコースト否定論者に絡まれちゃってるんですね。2007年 9月17日(月)14時34分33秒の投稿です。

貴兄の根本的な誤りは「ニュルンベルク裁判=裁判」との認識です。
それは記号的認識による過誤です。


あれは「裁判」といふ名の戦争の継続であり、兵器を使はぬ攻撃です。
小堀桂一郎の言葉を借りれば「戦後の追撃戦」)
(後略)

気の毒な人だ…。で、このアドレスという人物の主張がまたものすごい。2007年 9月17日(月)17時29分0秒の投稿より。

無かつたことの証明は出来ません。
が、告発した側の挙げた「証拠」を否定すれば「捏造」を証明できます。
有つたことの立証責任は告発側にありますから。

否定派お得意の「悪魔の証明」論法を使わせてもらえば「捏造が無かったことは証明できない、だから捏造があったという側が証明する責任がある」わけですが、刑事裁判だって無罪判決=警察・検察のでっちあげとは限らんですわな。ま、それ以前に「告発した側の挙げた「証拠」を否定」することに成功してないわけですが。成功しているのは「否認」です。
それから「記号的認識による過誤」などという、「旧日本人」さんの「超知性」を想起させるようなフレーズが出てくるのでリンク先見てみたんですが、これまたすごい。

言葉に「意味」があると、どうなるか?
この論理が(↓)をかしいことが、すぐわかる。
「犬は動物だ、猿も動物だ、だから犬は猿だ」


なんや?
「犬・猿」と「動物」では意味の種類(class)が違ふやないか、と。


しかし、言葉を「意味のない記号」として使ふと、それが分らなくなる。
犬=動物
猿=動物
故に
犬=猿


上記は「意味を抜いた記号」の論理としては正しい。
A=C
B=C
故に
A=B

論理学の初歩も分からん人間が論理を語ってます。「犬=動物、猿=動物、故に犬=猿」というのは古典論理学では「媒概念不周延の虚偽」と呼ばれる有名な虚偽推論で、要するに形式的に間違った推論です(述語的同一視、とも)。「我々が二千年前に通過した場所だっ!」ってアリストテレスに怒られますよ。まさに言葉を「意味のない記号」としてあつかう記号論理学でももちろんこの推論は誤謬。ま、この人の場合は「AはCである」を「A=C」と表記しちゃうという、出発点で間違ってるわけですね。「思いて学ばざれば則ち殆うし」を地でいく例で、結局歴史学についても同じ態度なんだろうなぁ、と(参考→「日本史学専攻の学生は南京事件をどう調べるか」)。