07年12月08日付けエントリへのコメントについて

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一知半解男さんへ

ただし、私は国際社会に対して説得力を持たないとは全く考えておりませんので、仮定の質問の趣旨を理解できても同意できません。

なんでこういう無駄なことを付け足されるのでしょうか? あなたの主観については承知のうえで質問してるわけでしょう? 常々、南京事件否定論者は「理解する」ことと「同意する」こととを区別できていないのではないか、それゆえ同意できない主張についてまともに理解しようとしないのではないか…と思っているのですが、「理解できても同意でき」ないことがある、なんてのは当たり前でしょう。
ともあれ、論点がようやく明確になりました。あなたは

あなたがどれほど「慰安所制度は性奴隷制ではなかった」と確信していようが、あなたの(そしてあなた以外の慰安婦問題否認派の)発言が国際社会に対して説得力をもたないとすると、あなた方の行動は客観的には「3..重大な人権侵害はあったが、国際的な非難に抗して人権侵害の事実を否認する」ものとしてしか機能しません。つまりあなた方こそが日本を危険に晒しているということになります。

を「理解できる」とおっしゃった。同意できないのはあくまで「国際社会に対して説得力を持たない」という部分についてだけだ、と。だとすれば、すでにあなたが引用した山本七平の一文は「警句」としてまとはずれであるということが明らかになったわけです。なぜなら、上記引用文を「理解」している人間なら、「事実に反することで責められている場合に限り、かつ適切に反論する限りにおいてのみ、反論は有効である」ことを「理解」できるはずだからです。むしろ「事実に基づく非難に対して「そんな事実はなかった」と反論することは、かえって日本を危険に晒す」という認識(繰り返しますが、あなたも「理解」した認識です)を欠いている点において、山本七平の「警句」は実はあらかじめ日本を免罪しているものにとってのみ「警句」に見える、というだけのはなしです。

ここで「その言葉」の目的語となっているのは、「朝鮮人は口を開けば云々〜」であって、「朝鮮戦争は日本の資本家が仕組んだ云々〜」ではありません。この原文を読む限り、山本七平は「進歩的文化人がいった言葉」ではなく「朝鮮人の主張」を問題にしています。

あなたはご自分が書いたコメントを忘れています。あなたは

確かに、日本は朝鮮戦争特需があったことは事実でしょう。ただし、「意図してやったこと」と「結果的にそうなった」ことでは天地ほどの違いがあります。これを「最初から意図してやったのだ」と受け止められてしまうことは、非常に危険であると思いませんか?

とおっしゃったのです。だからこそ私は

韓国では昔から「朝鮮戦争北朝鮮がしかけてきたもの」というのが主流の認識ですよ。それを「日本の資本家がしかけたものだ」などと「解釈」するというんですか? デタラメにもほどがあります。もっとまじめにものを考えてください。

とお返事したのですよ。ご自分ではなしを現実には存在しない「朝鮮人の主張」、すなわち「進歩的文化人がいった言葉」(これが実際に存在するかどうか自体、大いに怪しいわけですが)を韓国・朝鮮人が信じた場合にずらしておいて、私が誤読したとおっしゃるんですか? ひどいなぁ。とんでもない言いがかりですよ。

山本七平の警句の後半部分である「その言葉が事実であろうと、なかろうと、安易に聞き流してはいけない」ことの意味は、あなたが主張するような「シラを切ることでない」と私は前回のコメントで説明いたしました。

それに対する私の反論(で、具体的にはどうするんですか? 「そんな事実はない」と否定するんじゃないんですか?)にあなたは答えていません。ゆえに

この後半部分の警句についてApemanさんは妥当性があると思っているのか、いないのか?イエスかノーかでお答えいただけますでしょうか。そしてその理由もポイント逸らさずお答えいただけますか。

についてはもちろん「ノー」と答えることになります。理由はすでにあなたも「理解」していますよね?

関与の度合いも考慮せずに、そうした結論は余りに短絡的ではないかと‥‥。日本軍の関与は、あくまで、「現地での強姦防止&性病防止」が目的で間接的なものにすぎません。

なぜ「考慮せずに」と決めつけるのですか? あなた、私が「慰安婦」問題について書いたものをすべて読まれたのですか? 関与の「目的」は慰安所の実態がどうであったかとは関係のないはなしですね? そして「関与」が「間接的なものにすぎません」というのは根拠のない主張なのです。「慰安婦」問題についてのこのブログのエントリをまずは読んでください(サイト内検索で簡単に特定できます)。そのうえで反論してくださいな。

この関与の形について、批難する欧米諸国は日本軍の”関わり方”を正確に認識しているでしょうか?私はしていないと思います。

根拠もなしに「思います」と言われて、私が納得すると思いますか?

さらに、例えばEUやカナダの決議本文を見ても「性奴隷にすることのみが目的だった」と事実とかけ離れた主張をしていて到底看過できないものがあります。

その「目的」は慰安婦の徴用について言われていることであり、慰安所の設置について言われているのではありません。女性を慰安所で働かせる「ために」徴用した、その慰安所は「性奴隷」制といってよい制度だった、ここからは「女性を性奴隷にするために徴用した」という結論が導かれます。
まさか、「慰安所設置の目的は「現地での強姦防止&性病防止」だった、と主張すれば欧米諸国が「おお、そうだったのか! そりゃ誤解してた」と考えると思ってるんですか?

その点にさえ異議を唱えることがなぜいけないのでしょうか?

あなたが非難決議のロジックを誤解しているからです。RAAが「GHQの「命令」ではなかった」という、かなりよく知られている事実すらご存じなかった以上、慰安婦問題についてのあなたの「事実」認識を再点検してみるべきではないですか?

ただそうした理由にかこつけて、私のコメントを削除したり、私の疑問を無視するなど議論を封じることだけはしないでいただきたいと思います。

第一に、私があなたのコメントを禁じたところであなたが発言すること自体を封じることなんてできませんから。第二に、都合の悪いことにはだんまりを決め込むひとには自分のコメント欄のリソースを使わせたくない、と考えるのは管理人としてもっともなことだと思うのですが?

1)決議案の定義する性奴隷と、一般人が性奴隷と聞いて抱くイメージとの間にイメージギャップがあるのではないか?

そう考える根拠はなんですか? 第一、もしこの疑問があなたの発言の前提なら、非難決議(案)に「反論」する必要はないはずです。

2)決議を推進している議員の提案説明を見る限り、日本軍の実態を正確に把握しないまま、非難しているのではないか?

少なくともあなたよりは正確に把握していると思います。よって3)への返答は不要ですね?

4)海外の決議案の内容について、いかなる点についても一切異議を唱えてはならないのか?そうだとするならその理由は?

私は最初から、事実に基づかない「異議」は百害あって一利無しだ、と言っているのです。
最後に、しまうまさんとchickenhawkさんのコメントに関連することですが、あなたにとって「左翼学者」ということになるであろう田中利幸氏は米軍の買春政策についてちゃんと論文を書いているんですね。では、右派の研究者がどれだけRAAなどについて実証的な研究をしてきたでしょうか?