頂戴したコメントについて(2)

さて、ネガティヴ・コメントにはなるべく個別に応答しましょう。
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20080104/p5#c

munyuu 2008/01/04 18:54
(中略)
『補給戦―何が勝敗を決定するのか 』によると、軍の補給を完全に自国でまかなえたのはアメリカ軍しか存在しないようです。
外征を行った軍は、その補給を現地調達に頼っていたそうです。


通りすがり 2008/01/04 19:06
物資の現地調達は古代の戦争から、近代戦までデフォ。武器弾薬とか燃料とか全て自前の補給で行う様になったのはつい最近だよ。単純に補給できないからってのが理由だけど。

ナチスドイツが西側を攻める際は燃料も食料も幾らでも有るぜぃって快進撃を進めたが、東側。まぁロシアに攻め込んだ際は、焦土作戦で補給が続かずボロ負けしたの有名な話かと。その場に有る物で何とかするのが普通だよねー何とかならない場合も多いけど。

「補給」をめぐる議論についてはD_Amonさんが以前のやりとりをサルベージしてくださってます。
「軍の補給を完全に自国でまかなえたのはアメリカ軍しか存在しない」ことは、もちろん南京攻略戦における日本軍の補給体制を相対化するに十分ではありません。旧日本軍の補給軽視の体質については、旧軍人のなかからも反省の弁が数多く語られてるんだけどなぁ。それに、第二次世界大戦において「外征を行った軍」、特に自らのイニシアティヴで「外征」を行なった国と言えばまずは日本とドイツ、というはなしになるわけです。連合国は「攻められたから攻め返した」のです(これは小難しい「史観」がどうという問題ではなく、時系列に沿って「どこが戦場になったか?」を見ていけば自明です)。となればどういう結果になるか…はusi4444さんご指摘の通り。
興味深いのは、二人そろって「全て」という語を用いていることです。問題を0か1かにすり替えることにより「差分」を相対化しようという論法ですな。

通りすがり 2008/01/04 23:31
補給についてもそうだけど近現代の戦争史において特筆に値するなんて軽々しく使われてもな。


原爆で何人死んだかとか韓国軍がベトナムで4万人近い拷問虐殺をおこなったことも同じくらい
粘着して書いてほしいものですがね。最終的にはおそらくfromdusktildawn氏が謝罪したと騒いで全面的に勝利宣言して終息ですかね。やれやーれですわ。

すでにうちゃさんがぴしっとおっしゃってますが、「まとめ」を要求すればどうしたって「軽々しく」書かざるを得ない、そこが問題だ、ということを主張してるのに、これが批判足りうると考えるひとがいるんじゃ手の施しようがありません。
後半も陳腐な相対化ですね。ここにも同じ論法をとる人が登場してますが。「原爆」には投下目的に関する正当化論はあっても事実を否定する者は事実上存在しないこと、日本の市民が日本軍の起したことに対して特別なリソースを振り分けることには十分な理由があること(リンク先で「通りすがり」氏も指摘していること)、この二つだけで反論としては十分でしょう。ま、こういうこという人が自分で原爆被害や韓国軍の戦争犯罪についてきちんと調べて書くとはとても思えません。ただ名前だけもちだしておしまい、が相場です。
なお、ヴェトナムの韓国軍については、以下もご参照いただければ幸いです。
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20061126/p2

日和見 2008/01/05 00:11
列記してあることは全て今の常識では悪いことだけど
当時の常識ではとくに悪いことではない普通のことですね

だそうですよ! 70年前の日本というのは随分と道義的な水準が低い社会だったんですね! 自虐的だ!

名無し 2008/01/05 11:11
結局これだけ騒いで「捕虜の殺害」が問題ってことですね。
その他のことは確定とは呼べないと。


なんなんですかね。この人たちは。

はい、このひとも稚拙な印象操作をしてます。私は非戦闘員の殺害について「全体像を描くには」という限定付きで「データが足りなすぎる」と書いたわけです。個別のケースについて「証拠」を上げることはもちろんできますが、中途半端にそんなものをとりあげれば「なんだ、それだけですか?」という反応が否定論者から出てくることは火を見るよりも明らか。被害の規模を推測するためのデータももちろんありますが、例えばスマイス調査の結果をどう評価するか? なんて問題を「3分で読めるまとめ」に盛り込めるはずもない。
それに、この「まとめ」は「南京大虐殺とはどのようなものであったのか?」についてのまとめではなく、「なぜ南京大虐殺は特筆に値するのか?」という問題についてのものです。というわけで「日本語力ない」のはこの「名無し」氏の方であるといわざるを得ません。ま、「とおりすがり」氏も指摘されているように、否定したい欲望を前提として読めばこの「まとめ」はそのように読めてしまう(だからこそ安易な「まとめ」はつくれない)わけですね。