そのコピペ、待った!

CLick for Anti War 最新メモ「害戦車による脅迫でドキュメンタリー映画『靖国』の上映が妨害されている件について

政府がカネだしてることをみてもわかるように、
この映画の論調はニュートラル。それを「つくる会」系の
稲田みたいな大日本帝国主義史観の狂信者議員が問題視し、
さらにプロ右翼が内容も見ずに害宣w 日本の民度の低さを
全世界にアピール中だ。

試写を観たごく限られた人間以外は、予告編や監督インタビュー、試写を観た人間のレビューなどからこの映画について推測するしかできない段階で、まして「プロ右翼が内容も見ずに害宣」と批判するコピペのなかで「映画の論調はニュートラル」と決め打ちしてしまうのも大いにまずいのですが、それ以上に「ニュートラルだからいいのだ」「助成金を受ける映画はニュートラルでなければならない」という含意をもちかねないのは問題です。政府(尾山文化部長)でさえ国会で次のように答弁しています(産経新聞の原川記者によれば)。

先ほど申しあげましたように、政治的テーマを取り上げるということと、政治的な宣伝意図を有するということは一応分けて考えられると考えておるところでございまして、本件につきましては政治的なテーマを取り上げていても、政治的な宣伝意図を有するものとまでは言えない、と、その独立行政日本芸術文化振興会の専門委員会で判断されたと文化庁は聞いておるところでございます。

まあもちろん、「政治的な宣伝意図がある」かないかの判断自体、よほど露骨なものでない限り*1政治的なもの足らざるを得ないところがあるわけですが、少なくとも概念的には「政治的な宣伝意図がある」と「政治的である」の区別は可能です。だからここは「ニュートラルじゃないかもしれませんが、それがなにか?」と答えるべき。


なお、今朝の朝日新聞によれば、大阪・十三の「第七芸術劇場」は5月に『靖国 YASUKUNI』を上映することを決めた、とのことです。

*1:尾山文化部長は「例えば特定の政党や特定の宗教法人のPR映画であれば、〔政治的な宣伝意図がある映画、に〕該当するのではないかと思われる」と答弁している。まあとりあえずもっともと思える答弁だが、ここで問題にしたケースのように「特定」の団体の名前だけは徹底して隠していたらどう…とかいった問題は生じるだろう。