悪あがき

例のエントリのコメント欄

あ〜というか《放送法3条が適用されない以上高裁判決基準で『靖国』事例の救済可能性を否定するのはベタの議論としてもダメ》ってえのを書いておいた方が良かったのか(正確に言うと、映画についても高裁基準が正しいという論証抜きにはダメ)。Apeman氏はこれがわかっていないので、《自分の言ったことは正しい》という主張と《自分の興味関心を共有しない おおや が憎い》という態度の表出を際限なく繰り返しているわけですね。

まさに「自己と他者の違いを認識する能力がない」、「自分とは異なるが合理的な判断というものがあり得ると考えないので思考が一面的で偏狭になったり」してる、としか言いようがない! 放送法の問題については「それがなにか? 彼我の立場の違いを忘れてるんじゃない?」と言っておいたはずである。李監督に対する損害請求訴訟が起こされているわけでもなく、『靖国』バッシングもすっかり下火になっている今、私には「別に李監督擁護の論陣をはる必要もない」とも言っておいたはずだ。6日付けのエントリから引用しておこう。

要するに私は当初より「VAWW-NETNHK訴訟の高裁判決をひきあいに出して李監督にイチャモンをつけようとする人々」へ反論すること、特に、あたかも最高裁判決がでたことによって事情が変わったかのように言おうとする人々へ反論することを目的としていたのであり、それ以上でもそれ以下でもない(というとちょっと言いすぎで、映画も観ずによりにもよって稲田朋美らのクレームに乗っかって踊った人々を「ほれみたことか」と嗤ってやろうという意図はあった)。してみれば、右派が考慮に入れていない放送法にこちらから言及する必要はなく(といっても、高裁判決から私が引用した部分には放送法への言及が含まれてはいるのだが)、あちらが設定した土俵にこちらも乗ってうっちゃって差し上げただけのことである。

映画は放送法の適用を受けないから「期待権」の保護範囲は「左へ広がる」はずであり、それゆえ VAWW-NETNHK の高裁判決にいう「特段の事情」のようなものが成立していないとしても刀匠の「期待権」は法的に保護される・・・という議論を現実に誰かが行なっていたのなら、もちろん私も別の書き方をしただろう。だが現実にはそうではなかった。私のエントリは現実に存在した『靖国』バッシングの議論についての議論なのであって、それこそ「ベタ」と「メタ」の区別がついてないのはどっちだよ、と。「ダメ」出しをするなら放送法というファクターを考慮に入れずに『靖国』バッシングをしていた人間にすべきであって、お門違いもいいところ。ちなみに私が高裁判決を引用する際には、こちらでもこちらでも「放送法」への言及箇所を含んでいることを申し添えておく。