「カウラの大脱走」

昨年の夏に BS-hi で放送されたドキュメンタリー、「カウラの大脱走」。オーストラリアの捕虜収容所で起こった脱走事件(脱走後ゲリラ戦をやるとか、原隊に合流するといった計画のない、むしろ敵弾に倒れることを目的とした脱走)の生存者(およびオーストラリアの元警備兵)への聞き取りに基づく番組。最近、この脱走事件がドラマ化されたとのことで(法華狼さんの紹介はこちら)、ドラマの方は見なかったのだがHDDに眠っていたのをみる。
本国に通達されるのを畏れ多くの捕虜が偽名、偽の階級を申告したため、収容所では班組織による「民主的」な自治が行なわれていたが、戦局が進んでから捕虜になった将兵が収容所に加わってから雰囲気が一変し、脱走計画が立ち上がった・・・という経緯が興味深い。オーストラリアにある墓地の墓碑銘は現在でもほとんどが偽名のままだそうである。これもまた「戦陣訓の呪縛」の結果である。