ざっくりしすぎやろ

先日、注文していた『南京!南京!』の不在配達票が郵便受けに入ってたんですが……。

差出人が「中国より」! Apeman は中共工作員だったのか!?


というのはさておき、まだ全編観る時間は取れていないのですが(自称忍者の「自爆」攻撃」にさらされてますしねw)、とりあえず気になっていたシーンだけ観てみました。というのも、例の某スポーツ用品メーカーの名を騙っていた忍者は12月17日の入場式で日本兵が「阿波踊り」をしていると言っていたわけですが、水島連隊長は同じシーンについて「どじょうすくい」だとおっしゃっていたのです。もちろんのこと、同じシーンについての「阿波踊りである」という言明と「どじょうすくいである」という言明がともに真であることはありません。しかし発言を信用できない点では甲乙付けがたい二人の言うことですので、どちらが正しいのかは判断に苦しむところです。
で、どうだったか……。正解は「どちらでもなかった」です。
(参考)
http://www.youtube.com/watch?v=UWzUdzO1hh0
http://www.youtube.com/watch?v=mUALuGno6Go
阿波踊り的な身振り、どじょうすくい的な身振りは確かに取り入れられてますが、ずばり「阿波踊り」か、ずばり「どじょうすくい」か、と問われたならば「どっちでもない」と評さざるを得ません。どうせならちゃんとした「阿波踊り」、ちゃんとした「どじょうすくい」になってない点にもクレームをつければよかったと思うのですが、ひょっとすると二人とも「日本人」じゃないので「阿波踊り」や「どじょうすくい」をよく知らない、ということなのかもしれません(忍者と称しつつ忍者を貶めるような行動を続けるという「反日」ぶりをみると否定しがたい可能性ですよね)。


確かにこのシーンは、歴史修正主義者ならずとも日本人が観れば違和感を感じるところでしょう。しかしそれは日本製のコンテンツにおける外国文化の描き方(チャイナ服着せて「〜アル」としゃべらせれば中国人、的な)であるとか、日本が海外に向けて発信する“日本文化”のステレオタイプに対する反省をも迫る違和感であるはずです。海外の観客には、あれはわかりやすい「日本」の記号としておそらく機能するのでしょう。
これまで南京大虐殺については膨大な「論争」が行なわれてきたわけですが、その中で入場式のプログラムが重要な問題になったというはなしは聞いたことがありません。あんな行進が実際にあったのか? と問われたら「たぶんなかったんじゃないの?」と答えますけど、ではあのシーンが史実についての理解を実質的に損ない歪めるか? と問われたら「どうでもよい些事」と答えます(なお、問題のシーンでは日本側主要キャラクターの表情のアップが使われており、映画の中ではこのキャラクターの心理を描くために機能していると言うことができるでしょう)。