補足2

minazuki6 「洗脳」って何で恐ろしい響きに感じるんだろうか「汚脳」とかだったらわかるが 2010/06/14
(http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/Apeman/20100613/p2)

実際、「洗脳」ないし "brainwashing" という語は中国語由来なのであって、中国共産党にとってはポジティヴな意味をもつことばだったわけですからね。冷戦当時、西側陣営にとって敵対的な思想をもつ人間への「改造」を目指した技術だったから西側では否定的な意味合いを持つようになったわけで。
極悪非道な犯罪者が逮捕・取調べ・裁判・刑罰・矯正教育という一連の処遇の中で己の罪を自覚し、“まったくの別人”に生まれ変わるようなことを私たちは「洗脳」とは呼びませんが、しかしそのような変化は彼に強制された一連の処遇抜きでは起こらなかった可能性が高いわけです。身柄を拘束し執拗に「自白」を求める取調べは、リフトンの言う「思想改造」の技法の特徴の一部を備えています(環境のコントロールとか、告白の要求など)。社会が肯定的に評価する人格の変化を強制的なプロセスで起こすことの道徳的な意味についてはそれはそれで議論の余地がありますが、「洗脳」という語の否定的なニュアンスはこの場合帝国陸海軍の戦争犯罪の告発を阻止しようとするメンタリティに由来していることは間違いありません。