海軍日記、遺族のもとへ

2月19日の朝日新聞(大阪本社)朝刊に載っていた記事ですが、調べた限りでは asahi.com にはないようです。

父帰る 日記となりて 68年ぶり、豪から娘へ


南方戦線で戦死した旧日本兵の「海軍日記」が、68年ぶりに、広島県福山市に住む一人娘のもとへ戻った。戦線から持ち帰ったオーストラリア兵の遺族がシドニーの日本総領事館に調査を依頼し、判明した。
(原文の「海軍日記」の後にある鍵マークを省略)

「海軍日記」とは海軍の監修で発行されていた日記帳で、大量に発行されたものの海没や没収により持ち帰られたケースは希で、靖国偕行文庫にも1冊しか所蔵されていないそうです。総領事館に調査を依頼したのは日記を持ち帰ったオーストラリア兵の義理の娘。日記に添えられた手紙には「持ち主に返却されねばならないという大きな責任を感じ、心に重くのしかかっていた。親族が見つかったと知らされ、うれしい」と書いてあったそうです。
連合軍将兵が持ち帰った遺品(日章旗等)が日本側遺族に返却されたというケースは時折報道されますが、当時は気軽に記念品のつもりで持ち帰ったものの、時間が経つにつれて遺品の向こう側に一人の生きた人間を見ることができるようになった人々が、持ち主探しを始めるということなのでしょう。


なお記事では使用された筆記具については言及がありませんが、掲載されている写真から判断する限り鉛筆ではなくインクで書かれていました。