アパグループ第4回「真の近現代史観」懸賞論文、受賞作決定

ロムえもんさんのツイートで受賞作決定を知る。
http://www.apa.co.jp/book_ronbun/vol4/index.html
今回から優秀賞(社会人部門、学生部門)もPDFで公開されるようになったのですが、サー中松義郎博士の「日本は負けてない」は第1回の最優秀賞受賞作にも匹敵する、あるいはそれを凌駕するほどの高出力です。まあ元空自のトップのケースとは違ってこの人の場合はネタとして笑ってすますという誘惑にもかられるのですが、その元空自のトップや国会議員、右派論壇人がこれに「優秀賞」を与えるという役割を引き受けている、という事実は笑いごとではすまないでしょう。日本の原爆開発についてはちょうど先日、ジョン・ダワーが書いた論文(『昭和 戦争と平和の日本』所収)を読んだところなのですが、“昭和天皇が原爆開発を止めさせた”という伝説を唱える人びとがいることは初めて知りました。ちょっと調べてみるとネタ元とおぼしき本が地元の図書館にあることがわかったので、時間があったら読んでみてもいいのですが、まあ時間の無駄ですね。
さて、最優秀賞の方は高田純・札幌医科大教授が受賞しているのですが、この人は第3回でも「広島平和公園の碑文は撤去すべし」という“論文”で優秀賞を受賞してたんですね。すでに昨年から注目していた bogus-simotukare さんの先見の明に脱帽です。しかしもうすこし外聞のよい媒体(『正論』とか)に書く機会はいくらでもありそうなのに、よりにもよってこの懸賞に応募して300万円ゲットしてしまう神経は私にはとても理解できませんが、結局は日本のアカデミズムがこういう政治的プロパガンダをきちんと批判しないからこそ、平気で小遣い稼ぎができてしまうということなのでしょう。