逆ばりはなんとかの始まり(追記あり)

そもそもこの意見聴取会って、「利害関係者」に発言の機会を与えるためのものじゃないから。hamachan氏のエントリで引用されている時事通信の記事では事情の一部が省略されているけれど、上にあげた毎日の記事を読めばわかる通り、問題視されているのは「利害関係者」が発言したことそれ自体、ではない。発言者は「抽選で選ばれた」ことになっているはずなのに、仙台での聴取会に続いて電力会社社員が選ばれるという素晴らしい“偶然”に疑問を抱く人がいても当然でしょう。なにしろ原発に関するこの手のイベントではやらせの実績もあるわけだし。また、電力会社の言い分なんて「圧殺」どころか、税金と電気料金ぶち込んでさんざん宣伝されて来たというのが実態なのであって、それをこの種のイベントでさらに言わせなければ「圧殺」だ、というのは逆ばりにもほどがあるというもの。
無理のある議論だから、比較の対象選びにも無理が出てくる。「例えば大阪市で当の公務員が何かを語ろうとしても」って、こんな曖昧な設定の問いに対して答えられるひと、います? どういう機会になにを話そうとするのかによるに決まってるじゃないですか。市が「広く市民の声を聞く」と称して開いたイベントの発言者に大阪市の幹部職員が“当選”して市の施策をヨイショするような発言をしたら、「やらせじゃないのか」「ここは市の広報の場か」といった批判は出て当然でしょうよ。こうした発言を批判する一方で、こういうのを「当事者の声の圧殺だ」と評したとして、それはダブスタでもなけりゃご都合主義でもないし。


でまあ、追記部分は無惨と言うしかない。逆ばりが自己目的化してるから、どれほど不当な比較になってるか、見えなくなっちゃってるんでしょう。東電社員の待遇を決めるための意見聴取会から東電社員が排除されたというはなしなの? 違うでしょ。そういう会ならすべての発言者を「抽選」で決めるなんてことにはしないし。ナチスがどうたらについては「まさかナチスの犯罪とは手続き上の瑕疵だとおっしゃりたいので?」と申し上げておきましょう。


追記:ナチスがどうたら、というのはもちろんこれのことですが。

もちっと言えば、ナチスユダヤ人をどう扱うべきかの公聴会に、「たった9人しかいない発言者の中に(ユダヤ人という)「利害関係者」が突っ込まれる」のはどうかとか。

これ、自分が一体どういう立場にコミットしたことになるのか、わかってないんだろうなぁ。ナチスユダヤ人問題についての公聴会を開いたところ、「抽選」で選ばれるはずの発言者のなかに毎回のように親衛隊の将校がいてユダヤ人の絶滅を主張する……という具合に世論を誘導しても、「やはり当事者の発言を圧殺するわけにはいかない」と考えるわけですな、この人は。