1931年の12万ドル

scopedog さんが「当時は当たり前」論への反証を紹介されている。もちろん、当時の日本においてこうした認識が広く共有されていたかどうかはまた別のはなしだが、「当たり前」ではなく異議は唱えられていたのだし、「合法」ではなく「違法」な事例が多数あったのだ*1ということは、もっと知られる必要があるだろう。
さて、はなしは脇道にそれるが、紹介されている記事の中にこんな一節がある。

今や、国際連盟は、極東方面における、婦女売買の状態を、極めて仔細に調査研究するために、調査委員を派遣することに決し、そのために、ロックフエラー財団より十二万ドルの寄附を受け、既に、三名の調査委員は、支那までやって来て居る。

強調は引用者。ロックフェラー財団を素朴に称揚する必要はもちろんないけれども、今日の日本の財界人たちの「慰安婦」問題に対する対応と比較してみると、実に情けない気分になる。

*1:そして日本軍は違法な契約の蔓延に特に留意することなく「慰安所」を運営し、性病対策の観点からはむしろ積極的に若い「慰安婦」を求めていた、ということも。