「『南京事件』とは何か 3論客の見方相互検証」

さる11月12日にBSフジの番組「プライムニュース」で南京事件が特集されていました。

番組サイドの酷さは次の3点によく現れてます。まず冒頭でキャスターが「非常に有力な3つの学説をみなさまにお伝えできる」などと挨拶するのですが、ゲスト3人のうち1人が藤岡信勝です。文科省ですら「諸説の1つ」と認めてないのを「有力な学説」にしちゃってます。
もう一つ。奇しくも前月にNNNドキュメント'15でとりあげられた幕府山虐殺について触れる際に、小野賢二さんが収集した陣中日記から2例、虐殺に関する記述を引用したパネルが提示されるのですが、出典も明記せず、日記の主の所属も「第8中隊」「第19連隊」とされているというデタラメさ。知っている人間が見ればそれぞれ歩兵第65連隊第8中隊、山砲兵第19連隊のことだとわかりますが、事情を知らない視聴者にとって見れば「もう少し知りたい」と思っても調べる手がかりになりません。なんだよ、「第8中隊」って! 旧日本軍にどれだけ「第8中隊」があったと思ってるのか。
さらに藤岡信勝が「清野作戦」について語りだすと画面に「三光(清野)作戦」とテロップが!


かようにアンフェアな番組サイドのスタンスにもかかわらず、とりわけ幕府山虐殺の話題になると藤岡信勝がしどろもどろになっていたのが印象的でした。他の点ではこれまでも繰り返してきた詭弁をペラペラとしゃべっていたのに、ほとんど意味のあることは言えてませんでしたね。煎じ詰めれば「せんそうだからしかたない」と言いたかったようですが。