ちょっと羊頭狗肉気味な「ザ・スクープスペシャル 終戦企画」

敗戦後71年目の8月が終わりましたが、テレビの戦争特集は(いくつか良番組はあったものの)やはり加害の側面にきちんと向きあったとはとうてい言えなかったですね。
さて、8月14日に放送された「ザ・スクープスペシャル 終戦企画 大平洋戦争最後のミッション 緑十字機決死の飛行〜誰も知らない“空白の7日間“〜」をいまごろになって観ました。自社コンテンツの価値を過大に喧伝するのはメディアの常とはいえ、タイトルだけで「ああ、河辺虎四郎がウィロビーからウィスキーもらってご機嫌になったミッションね」と予想しつつ観ていたら、ディテールはともかくとして大筋ではやっぱり既知のはなしでした。


それはまあいいとして、番組の最後の最後で緑十字機1号機の復路における不時着の原因について突然陰謀を示唆する説明が出てきたのはちょっとびっくり。断定こそ避けたとはいえ、テレビで放送するには根拠薄弱ではないかと。細かなところで気になるところが幾つかあったことも制作サイドの姿勢に疑問をいだいた理由です。例えば一式陸攻をナレーションで「戦闘機」と呼んでみたり、ナレーションがゼロ戦について語っているところで使われているのが九九艦爆フッテージだったり。不時着したあと放置され波にさらわれて消えた不時着機の部品が近年になって見つかったことを「奇跡」と形容してみたり(撤去したわけじゃないんだから、そりゃ近所で見つかることもあるでしょうよ)。敗戦記念日にあわせた企画としてはちょっとアラが目立つかな、と。


追記:そうそう、大事なこと(でもないか)を忘れてました。かつてこのブログでもとりあげたことのある元自衛官歴史修正主義者、佐藤守氏が緑十字機関係者の子息として登場してましたよ!