報道特集(6/14)「朝鮮女子挺身隊〜苦難の人生」

TBS系列で放送されている「報道特集」、6月14日の放送の後半で「朝鮮女子挺身隊〜苦難の人生」という特集を放送していました。動員された先の企業である不二越の地元、富山チューリップテレビの記者が元挺身隊員や支援にとりくむ市民に取材したものです。最高裁段階で和解が成立した一次訴訟と和解なしで原告敗訴が確定した二次訴訟の間に起きた日本社会の変化についてもう少し追及してくれればよかったとは思いますが、地方局らしい市民目線の特集ではあった、と思います。

……残念ながら、女子挺身隊に関する公文書や資料は少なく、幼い少女を騙して日本へ連れて行った経緯や過酷な労働を裏付けるものは彼女たちの証言しかありません。しかし、彼女たちがいくら苦痛を訴えても、日本政府や日本企業が認めない限り、その証言が真実だとは、公に認めてもらえません。元挺身隊〔員〕はみな90歳前後になっています。残り少ない人生となったいま、彼女たちが本当に欲しいものはお金ではなく、“わたしたちが悪かった”という加害者側の謝罪のことばなのだと感じました。

取材にあたった記者の総括です。被害を公的に認めることの重要性を指摘していたのは、日本政府が「産業遺産情報センター」で朝鮮人差別を否認する元島民の“証言”を公開するという愚挙に出ることが明らかになった直後だけに、意義のあることだったと思います。ちなみにリンク先の共同通信の記事は、例によって例の如くの「批判を招きそうだ」記事ですが、「当時の軍艦島では、多くの朝鮮人労働者が非道な扱いを受けたとされる」ことを「定説」と記述している点は評価できます。