日常のなかのキノコ雲

-NNNドキュメント'20 2020年5月24日 「クリスマスソング 放射能を浴びたX年後

2011年以降、日本各地で行われた放射線測定。その過程で核実験由来の放射線が見つかった。浮かんだのは半世紀以上前の列強国による核実験。当時、その海域で日本の漁船が操業していたという事実を掴んだ取材班は、船を特定し乗組員の追跡を始めた。生存者の口から語られる目撃証言。さらに核実験に関わったイギリス軍の元兵士や遺族も重い口を開き始める。その海で何があったのか。16年間にわたる取材が謎を解き明かしていく。

マグロ漁船の元乗組員だけではなく、元イギリス軍兵士やその遺族にも取材した、見ごたえのある55分枠放送だった。日本のマグロ漁船の被爆は「第5福竜丸」というシンボルによってそれなりには知られていると思うが、ここで紹介されるイギリス軍兵士の被害について具体的なことを知るのは私も初めて。価値のある仕事だが、毎度のことながら日本軍の加害についてもこれだけの取材が重ねられていたら……と思わされる。

もっとも印象深かったのは、兵士たちが日常のなかで撮った写真に写っている核実験。イギリス軍が写真撮影を禁止しなかったため残ったものだが、なかでもこの一枚はシュール(スマホでテレビ画面を撮影した際の歪みはご容赦)。

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「クリスマスソング 放射能を浴びてX年後」より