日中韓「国家観共同調査」

kmizusawaさん経由で 西日本新聞8月15日朝刊の記事を知る。

 【ソウル14日原田正隆】日本、中国、韓国3カ国の青少年のうち、「戦争が起きたらどうするか」との質問に「率先して戦う」と回答した割合は日本が41.1%と最も高く、中国(14.4%)、韓国(10.2%)と大きな意識差があることが、3カ国の研究機関による国家観共同調査で分かった。
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kmizusawaさんもすでにご指摘のように、この手の世論調査は設問の文言次第でどえらく結果が違ってきそう。だいたい「戦争が起きたら」って、どんな戦争なのよ? 世界には抽象的な戦争なんて起きないんであって、どの国との間に、どのような経緯で、どのような規模の、どのような形態の戦争が起きたら…という情報抜きで「どうするか」と聞かれてもね。
この結果についてはいろんな分析が可能だろうが、私は「日本の若者が一番戦争を抽象的に考えている」ってことじゃないかと思う。だって日本よりはるかに軍隊が身近な国(韓国の青年にとって徴兵は他人事ではなく自分の問題だし、中国は人口が多すぎて実質的に志願制になってるそうだけど、軍のプレゼンスは日本社会よりはるかに大きかろ)の4倍前後「率先して戦う」って、嘘くさくない? というか、青年人口の4割もを自衛隊が吸収できるはずはないから、「率先して戦う」と答えた人間が本当に率先して戦うとしたらゲリラになるしかないでしょ? けど日本が攻め込まれた場合、とは設問に書いてませんよ。ゲリラが海渡ってどっかに戦争しにいきますかそうですか。それから、南京事件否定論者によれば便衣兵は速攻で処刑されても文句言えないらしいですけど、みなさんそれでいいですか? 「できる役割を遂行する」(中国で55.7%、韓国で30.8%)とか「状況を見て決める」(韓国で34.4%)の方がずっと地に足の着いた回答だと思うなぁ。