日本外国特派員協会での中曽根康弘の記者会見

かつて回顧録『終わりなき海軍』で「慰安所」の設置に関与していたことを明らかにしていた中曽根康弘が、日本外国特派員協会で記者会見をおこない、慰安所制度及び自身の関与について追求された。
http://www.janjan.jp/government/0703/0703232269/1.php
(「記者会見の様子(後半)」に当該の質疑応答が含まれている)


年齢を考えると私ですらちと気の毒という感じもするが、もともと自身の回顧録に端を発する質問であるし、元首相という経歴を考えれば追求して当然ではある。
中曽根の弁明の概要は“私は飛行場設営部隊にいたので、(1)兵士ではなく徴用された作業員のための(2)娯楽施設をつくった、(3)陸軍のことはわからない”といったところ。しかし仮にこの弁明を信じたところで(1)は弁明になってない。軍が徴用した作業員なのだから。(2)について「作業には3週間くらいかかるから、その間の娯楽施設が必要」というのだが、これはどう考えても不自然。3週間で終る現場に何日かけて娯楽施設をつくったというのか? (3)陸軍のことはわからないというのもにわかには信じられない。問題の任地が巷間いわれている通りボルネオ島だったのなら、そこには陸軍の慰安所もあったわけで、なに一つ目にしなかった耳にしなかったということはなかろう。まあ責任をもって証言できる立場にはない、ということならわからなくはないが。ちなみに岡村寧次大将は第一次上海事変に際して慰安所を設置したことについて、海軍を参考にしたと回想している。