「誤解を与える発言」「気持ちを傷つける発言」(追記あり)

久間防衛相の原爆容認発言について安倍総理は、「誤解を与える発言」「気持ちを傷つける発言」という常套句によって幕引きをはかるつもりのようである。
しかし「誤解」だというのなら責任の一端は発言の聞き手(ないし発言を伝えたマスコミ)にもあるわけだから、どこがどう「誤解」なのかを示してもらわねばならないし、被爆者の「気持ちを傷つけ」たという反省は発言の真実性に関してはなにも述べていない。久間発言の問題点は(1)日本政府の責任を無視した「しょうがない」論であることだけではなく、(2)現代史の常識に反する解釈である、というところにもあるのだから。まあ、満州の利権はドイツから引き継いだものだと思っている首相だから、この程度の無知などどうということはない、ということなのかもしれない。


追記:
コメント欄でもすでにご指摘をいただきましたが、このエントリを書いた後に久間防衛相が辞任することとなり、ちと間の悪いエントリになってしまいました。ただ、辞任の弁でも「私が思ったのと違った形で(発言が)伝えられて、理解を得られていない」と言い張っているので、批判の一部は依然として妥当することになるかと思います。