米核不拡散問題特使の「原爆」発言
asahi.com 7月4日
米特使、「原爆使用が何百万人もの日本人の命救った」
米政府のロバート・ジョセフ核不拡散問題特使(前国務次官)は3日の記者会見で、広島・長崎への原爆投下について「原爆の使用が終戦をもたらし、連合国側の万単位の人命だけでなく、文字通り、何百万人もの日本人の命を救ったという点では、ほとんどの歴史家の見解は一致する」と語った。
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米国の歴史学者の間では、原爆使用と終戦の因果関係は必ずしも明確ではない、という学説が有力だ。だが、特使発言のような見方は、保守派を中心に米国内でなお根強い。米政府はこれまで原爆使用について謝罪したことはなく、ジョセフ氏もこれまでの流れに沿って原爆投下の正当化論を繰り返したものとみられる。
中略部分では久間発言と直接の関係はない、とされているが、皮肉にも首相の弁明の一部を裏付けるかたちに…。だが、この正当化論は言うまでもなく、「原爆投下なし、ソ連参戦あり」の条件下で日本が「何百万もの」犠牲者が出るまで降伏しなかっただろうという前提(そしてアメリカ軍は何百万人もの日本人を殺害しただろうという前提)の下ではじめて成立するものだ。