兵士が日記など書くはずがないと主張する人々

9月26日のエントリにhigetaさんからトラックバックを頂戴しています。ひょっとすると「南京の真実 情報交換掲示板」でのやりとりをご覧になったのかもしれません。「さるおかた」氏はついに“従軍中の兵士が日記を付けていたはずがない”とまで言い出しました(スレッド134)。否定派の最新刊、東中野修道の『再現 南京戦』(草思社)にだって兵士の陣中日記は引用されている(もちろん、否定論の根拠として)のに、なぜこんな無茶なことを言い出したのか? そのネタ元はこちらです。
http://www.history.gr.jp/~nanking/moriou.html#07
森王琢氏は第16師団歩兵第20聯隊の中隊長(後に大隊長代理)として南京攻略戦に従軍した人物です。ゆうさんが最近発表された記事「「馬群」の捕虜殺害」では森王琢氏の否定論が俎上に載せられています。歩兵部隊の中隊長といえば率いる部下は200名弱、日常的に兵士と接触する立場であり、少なからぬ兵士たちが日記をつけていたことを知らないはずがありません。都合の悪い証言を無視するための方便であることは明白でしょう。もとより戦地での日記ですから多くの場合記述も簡単で、だとすれば必要な筆記具などたかがしれているわけです。「その中へ一体何冊のノートを入れていったのか?」などという問い自体ナンセンスでしょう。