しらじらしさの見本
YOMIURI ONLINE 2007年10月7日 「72年沖縄返還時、「核密約」示す米公文書を発見」
1972年の沖縄返還後に、米軍が有事に際し核を持ち込むことを認めた「密約」が、69年11月に当時の佐藤栄作首相とニクソン米大統領の間で行われた首脳会談で取り交わされていたことを裏付ける米政府の公文書が6日、見つかった。
密約については、佐藤首相の私的な密使として対米交渉にあたったとされる京都産業大教授の若泉敬氏(故人)が著書で明らかにしていたが、日本政府は存在を否定している。密約の存在が米側の公文書で初めて明示的に裏付けられたことになる。
(後略)
まあこれも先日とりあげた“CIAが岸信介(自民党)に資金供与を”と同じく、なにをいまさら的ニュースではあります。「西山事件」で問題になった方の密約同様、リアルタイムで半ば公然の秘密だったわけで。もちろん、それが米公文書の公開で裏付けられるということに固有の意味がないわけじゃもちろんありません。「説明責任」なんて概念はこういうことでもなければ実質を失ってしまいますし。
というわけで問題にしたいのは、日本政府がいまだに、どちらの「密約」についてもシラを切り続けてる…ってことですな。いやまあ、政府がことと次第によってはシラを切らなきゃならない場面もある、ってのはわかりますよ。しかし外交問題で、相手政府が文書公開してるわけですからね。もはや守らないといけない信義も秘密もないでしょうが。なに守ってるかといえば自民党政権のメンツでしかないわけで。「情報公開制度のある国を同盟国にもつと大変だ」とか思ってんじゃないですかね。
しかしここまで歴然とした証拠を突きつけられてもシラを切る政府が、「狭義の強制を裏付ける証拠はなかった」とか言っても誰が素直に信じますかね。