レスター・テニー氏講演会

昨日行なわれたレスター・テニー氏の講演会、いってまいりました。内容については、主催者がなんらかのかたちで発表するかもしれませんのでいま・ここでは詳しくご紹介しませんが(公表の予定がない、とわかったら考えます)、テニー氏が自身の体験をどのようにうけとめて現在の活動につながっていったのか、に関わるはなしが特に興味深かったです。
一点のみ、これに関連して。
テニー氏の説明によれば、300名ほどのグループに分けた捕虜たちを7、8名の日本兵が監視するかたちで「行進」が行なわれ、数時間歩くと日本兵は休憩し、別の日本兵が新たに監視について捕虜たちは歩き続けます。休憩した日本兵は後続の集団がやってくるとその集団の監視役と交替してまた前に進み、それまでついてきた日本兵たちは休憩に入る、と。ですから、日本兵も歩いたことは歩いたわけですが、決して捕虜たちと同じペースで歩いたわけではない、とのことです。もっとも、テニー氏も日本兵にとっては楽な行軍だったと主張しているわけではなく、死亡率こそ大きく違うものの日本側にも死者が出たことは知っている、と語っていました。しかし、動けなくなったから銃剣で刺し殺されたわけではない、そこは違う、とも。


追記:もちろんテニー氏は「死の行進」の全過程を俯瞰したわけではありません。しかしそれでも、単純に「日本兵だって歩いた」という弁明が成立するわけじゃない、と考える根拠には十分になるでしょう。