「証言 集団自決〜語り継ぐ沖縄戦」

録画しておいた5月30日(31日未明)放送のドキュメンタリースペシャル、「証言 集団自決〜語り継ぐ沖縄戦」をみました。登場する生存者の多くが最近刊行された『証言 沖縄「集団自決」−−慶良間諸島で何が起きたか』(謝花直美、岩波新書)の証言者と重なっていますので、見逃した方も「集団自決」に至る過程や生き残った過程については同書を読めばほぼ同じ情報を得ることができるかと思います。もちろん、映像ならではの息づかいのようなものは伝わりませんが。同書と比較すると、この番組では戦争体験を継承しようとする若い世代の活動が時間を割いて紹介されていたのが目につきました。先日地裁判決の下った裁判についても言及があったほか、当事者間で主張に争いのある事柄についてどう伝えるかを模索している若い世代が紹介されていたのですが、後者は沖縄戦に限らず、また戦争体験に限らず普遍性をもつ問題として掘り下げるに値するテーマでしょう。1時間番組の、そのまたごく一部で扱いきれる問題ではありませんが。