12月13日

南京事件否定論者の定番の台詞の一つに、「“あった”派は勝手に事件の期間と空間的範囲を広げている」というものがあります。ところで、中国の研究者や法律家、政治家、あるいは生存者が南京事件について語っているのを聞いたり書かれたものを読んだりしたことがあるひとは、しばしば(私の個人的印象では年長世代になるほど)今日、すなわち12月13日という日付が言及されていることをご承知だろうと思います。日本軍が南京を占領した日、戦後の戦犯裁判で南京事件の始まった日とされる12月13日。少なくとも中国側の研究者は、日本の研究者の一部がより早い日付を主張していることを知っているわけですが、多くの中国人は律儀に(?)伝統的な日付を守っているわけです。
こうした点まで含めて、事実に即しかつ自由闊達な議論ができる日がいつかやってくることを願います。そして、南京事件否定論者の存在がそうした議論にとって日本側の障害となっている、ということを改めて指摘しておきます。