「先の大戦」の反省はどこに行ったの?

つい先日、「政府・軍が日本側の観点のみを宣伝→メディアがそれに追随、煽りまくり→国民、「満蒙は日本の生命線!」と吹き上がる→メディア、止められなくなる→軍も止められなくなる→太平洋戦争勃発」って感じの番組が某局で放送された時には、「メディアひでー」「国民ひでー」って言ってた人がいっぱいいたじゃないですか。70年前じゃなくてほんの10日ほど前のはなしなんですけど。
ま、上記の図式に付け加えるとしたら、政党もまた「誰が最も勇ましいことを言うか」レースに乗りまくったわけです。でもって、異論を唱える人間を「非国民」だの「弱腰」だのと国を挙げて Disりまくった結果があの大敗北。


もちろん、白黒がはっきりとつくような問題については、間違った認識を持つ議員が批判されるのも当然でしょうし、また基本的な理念の問題であれば与党議員が政府・党の方針に反する主張をすることを許さないのも当然でしょう(レイシスト歴史修正主義者には極右新党つくってもらえばいいわけです)。
しかし淡路島や済州島の帰属を争ってるわけじゃないんだから、竹島(独島)の位置を地図で見るだけで「こりゃ簡単な問題じゃないな」ってのは誰の目にも明らかじゃないですか。で、仮に「国益」にべったり寄り添って考えたとしても、この「こりゃ簡単な問題じゃないな」は織り込んでおかなきゃならんでしょう。1億が火の玉になって気勢を上げれば韓国側が譲歩する、なんて見込みは全然立ってないわけですし。政府は「竹島はわが国の領土」という主張を堅持すべしという立場を前提として考えたとしても、世論や議会が強硬論一色になってしまうと政府にとって「外交」の余地なんてなくなってしまう*1。それがわからないというのなら、歴史から何も学ばなかったってことになってしまいます。

*1:もちろんこれは、観点を変えれば韓国についても言えることですが。