「さあどうする」と問われているのはお前だ

nakazawa-s
韓国軍はベトナム戦争参戦時、自国の若い女性を従軍慰安婦として連れて行った。それは良いとしても、慰安婦が足りず現地ベトナム女性に子供を産ませ放置したいわゆる私生児が数万人とも言われている。さあどうする。 2012/06/14
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/06/14/2012061400632.html

ネットや右派論壇ではいやというほど見かける論法ですが(ただし、韓国からヴェトナムまで「自国の若い女性を従軍慰安婦として連れて行った」とするパターンは管見の限りでは初めてです)、そもそもこの手のことを言い出す人間が、史料――もちろん彼らが南京事件や従軍「慰安婦」問題に対して要求する水準のそれです――に基づいて実証的に韓国軍の戦時性暴力を詳述している事例はただのひとつも見かけたことがありません。だから「さあどうする」なんて間抜けなことを言う前に、資料集のひとつでもつくってみればいいんじゃないでしょうか? 日本の左派が韓国軍の戦時性暴力を否認しないことにあぐらかいてないで。
この手合いは「慰安婦」問題を日韓の駆け引きとしてしか認識していませんから、こういう論法が有効だと思っているわけです。もちろん、韓国にも(いやどこの国にだって) id:nakazawa-s のご同類はいますから、そういう手合いは大いに困惑し、怒り、否認したりするでしょう。しかし、ヴェトナムにおける韓国軍の戦時性暴力を真に問題化できるのは、それを旧日本軍の慰安所制度や在日米軍将兵による性暴力事件などにつながるものとしてみるような、普遍志向的な観点からのみです。日本の「慰安婦」問題否認論者は、旧軍の免責のために韓国軍の行状を引き合いに出すことはあっても、ヴェトナム人女性の被った被害を問題として認識し、行動することは決してないと断言しておきます。
cf., http://www.viet-jo.com/home/news_detail.php/social/060326094227.html?catcode=social&itemid=060326094227