虐殺の開始時期について

今日、12月13日に南京市で75周年という節目の追悼式典が行なわれていることが日本のメディアでも小さく報じられていますが、相も変わらず「時間と場所を拡げて人数を水増ししようとしている」という妄言を繰り返す人がいるので、2年前のエントリをリマインドさせていただきます。
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20100824/p2
中国側でも「13日」という日付でもって記憶されているのは、事件発生当時〜東京裁判まで、南京虐殺についての認識が当時城内(の国際安全区)にいた欧米人のもたらした情報に大きく依存していたことが、大きな要因になっていると思われます。当然のことですが、城内にいた欧米人は12日までの、場外での出来事については断片的な情報しか持ち得なかったからです。他方、上記エントリでも論証したように、大規模な集団殺害の多くは13日から発生しているというのが日本側研究者の見解でもありますから、開始時期は犠牲者数推定に関わる問題ではなく、「歴史的出来事」としての同一性をどう考えるかの問題である、と言うことができます。
なお、犠牲者数推定について、「34万」や「43万」といった数字は戦後の戦犯裁判においてすでに提出されているものですので、「年々、数が増えている」というのもまったくのでっち上げです。