歴史修正主義を公然と支持する『朝日新聞』特別編集委員

Dr-Seton さんもすでにエントリを書かれている『朝日新聞』6月8日のコラム、「記憶遺産、負のせめぎあい」についてです。やはりあきれ果てるのは次の一節でしょう。

 このうち私が注目しているのは特攻遺書だ。無謀な敵艦突入を美化する申請なら賛成しかねるが、戦争の大波にのみ込まれ、海上に散ることを余儀なくされた若者たちの遺書である。国外で読み継がれるにふさわしいと思う。


 申請にあたった南九州市の桑代睦雄係長(53)によると、神風特攻隊は海外では自爆テロの先例と目されがち。申請書ではあえて「神風」の語を使わず、「大死一番」「七生轟沈(しちしょうごうちん)」といった決死の遺筆も外した。

特攻を「美化」しないというのであれば、同調圧力や国家による洗脳の証しとなる「大死一番」「七生轟沈」云々の遺書をこそとりあげるべきであり、こうした「不都合な真実」を消し去った「記憶遺産」申請などまさに「記憶の暗殺者」の所行と評さざるを得ません。これを「地元知覧の細やかな配慮」などと理解できるというのは、頭の先までどっぷり歴史修正主義に浸かっているからでしょう。
それにしても「いまの中国には、自国の「正」の遺産に光を当てることよりも、敗戦国日本の「負」の遺産を世界に知らしめることの方が優先するのだろうか」などと書いていた山中編集委員は、ユネスコ国内委員会が選んだ登録候補の1つがシベリア抑留という旧ソ連の「負」の遺産(「舞鶴への生還―1945〜1956シベリア抑留等日本人の本国への引き揚げの記録―」)であることをどう思うんですかね。シベリア抑留が日本人にとって「遺産」であるというのなら、南京大虐殺だって中国人の「遺産」でしょうに。