私人の犯罪に憤激する前に己の歴史修正主義を恥じたらどうだ?
酷い、酷すぎる!人として許せない。怖かっただろうに。痛かっただろうに。幼児は親無しには生きられない。一番頼りになる存在の親に殺されるなんて。小さい子供が犠牲になる事件のニュースは本当に辛くて耐えられない。
(https://twitter.com/miosugita/status/1004298683721142272)
クズ親!ほんと許せない!!
食事与えず放置、容疑で父母を逮捕 東京・目黒の女児虐待死 - 産経ニュース
(https://twitter.com/MR_DIECOCK/status/1004295505571078144)
いずれも引用にあたってニュースへのリンク部分を省略していますが、お察しの通り目黒区で起きた幼児虐待致死事件に対する反応です。
私がネットの歴史修正主義に注目するようになった理由の一つは、旧日本軍の戦争犯罪を否認するネット右翼の大半が、私人の刑事犯罪については厳罰主義的である、というのが解せなかったからなのですが、この2人もまさにその典型ですね。
いうまでもなくアジア・太平洋戦争ではこの事件に匹敵するような残虐行為が数え切れないほど行われてきたわけです。それを否認する「歴史戦」の旗を振っているこの2人に、両親を非難する資格なんてありません。
それとはちょっと話が違いますが。
「オウム事件真相究明の会」の方々は、本当に歴史を知らない(と思いたい。知っているなら悪質な確信犯)。地下鉄サリン事件って約23年位前で、そこから延々と裁判をやっているのに、その経緯を無視して物を言われてもねえ。ホロコーストはなかったーとか無邪気に信じている人と同じレベル。
(https://twitter.com/otakulawyer/status/1003946070781464576)
これは6月5日のツイートですが、8日にも同じ内容のツイートをしています。上と同じく、引用にあたって他のツイートへのリンクを省略。
さて「オウム事件真相究明の会」が「地下鉄サリン事件はなかった」と主張しているという事実は管見の限りではありませんので、一体いかなる意味でホロコースト否定論と「同じレベル」なのか理解不能です。そもそもホロコースト否定論者が「無邪気」だというのも間違いですね。反ユダヤ主義抜きのホロコースト否定論なんて存在しませんから。
そもそもこのひと、「慰安婦」問題についてこんなツイートをしているわけで、歴史修正主義に対してはずいぶんと“理解”がありそうなんですけどね。国から果てしなく被害者、加害者という関係でのマウンティングを続けられれば疑問と憤りを持つのは当然ですし、最終的かつ不可逆的な解決の合意を反故にされたことに対し、不信と怒りの声が上がるのも当然です。
(https://twitter.com/otakulawyer/status/969465744848175104)刑務所、拘置所、入管など日本の強制収容施設における医療ネグレクトは極めて深刻な状態にあり、また「死」のみが刑罰であるはずの死刑囚に対する合理性を欠く接見制限も日本の刑事司法が抱える重大な問題の一つです。これらが地下鉄サリン事件の真相解明にとって障害となっている……というのは、少なくとも可能性としてはありうることではないでしょうか。