『歴史評論』21年5月号
『歴史評論』(歴史科学評議会)の2021年5月号が「ひとびとの歴史意識に向き合い、疑問に答える」と題する特集を組んでいます。歴史科学評議会はラムザイヤーの日本軍「慰安婦」問題否定論を批判した「新たな装いで現れた日本軍「慰安婦」否定論を批判する日本の研究者・アクティビストの緊急声明」を出した団体の一つです。特集のねらいはもちろん歴史修正主義批判です。
しかし、意図的に歪曲された歴史像、学術的成果を無視して拡散されている情報も少なくありません。特にインターネットの普及で、近現代史をめぐるいくつかの論点については、その傾向が強くあらわれています。こうした状況は歴史学研究の担い手にとって放置できないのであり、書籍やマスメディアをつうじて研究成果にもとづいた歴史像を提供し、また、ひとびとの歴史に対する関心や疑問にこたえなければなりません。
図書館を利用するのが困難な情勢ではありますが、ぜひご覧頂きたいと思います。南京事件については伊香俊哉氏が、またホロコースト否定論については武井彩佳氏が寄稿されています。