米州議会、奴隷制に関して「遺憾」表明決議

朝日新聞4月7日朝刊より。

奴隷制、州議会が「遺憾」
米で決議、残る影響 言及


【ニューヨーク=江木慎吾】米国の州議会で、過去の奴隷制遺憾の意を表明する決議を採択する動きがでている。バージニア州が2月に初めて決議し、メリーランド州も3月に続いた。奴隷制が廃止された後も黒人や先住民への差別に影を落としたことや、その影響が今日に及んでいることにも触れている。
 バージニア州の決議は「アフリカの人びとの強制的な奴隷化と、アメリカ先住民に対する搾取を認め、深い遺憾の意を表明し、全てのバージニア住民の若いを呼びかける」と題されている。
 「最も恐ろしい形の人権侵害であり、建国の理念に背く」との認識を示し、奴隷廃止後も「構造的な差別、強制的な人種分離、そのほかアフリカ系アメリカ人に対する人種差別、人種的偏見や無理解に根ざす潜在的な制度や慣行が続いた」としている。(…)
 より自省を強めた「悔恨」も検討されたが、「深い遺憾の念」に落ち着いた。「謝罪」という言葉は使っていない。
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 同州〔=メリーランド州〕下院で決議を提案したマイケル・ボーン議員(民主)は「奴隷制は州によって対応が異なっていたため、州単位での遺憾の意の表明には意味がある」と話す。
 米国の連邦政府奴隷制について正式に遺憾の意を表したり、謝罪したりしたことはない。
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従軍慰安婦問題に関する下院決議と並行して州議会ではこのような動きがある、ということで「本館」ではなくこちらで紹介した。