「やり方」への矮小化という現実逃避

ニューヨーク州議会で旧軍の慰安所制度を「人道に対する罪 the crime against humanity」だとする決議が可決された(現時点では上院で、近日中に下院でも可決される見通し)件で、日本の右派のメール攻勢が2007年の "The Fatcs" 広告に匹敵する効果をあげたようです。

トニー・アヴェラ議員の記者会見は私も部分的にしか聞き取れていないのですが、冒頭部分では "very nasty e-mail" が送られてきた、と言っているように思われます。
右派の策動が自爆に終わることは100%予想されていたことであってまったく驚くにはあたりませんが、これまた予想された通り「やり方が悪かっただけだ」という論法で現実を否認しようとする人々もいるようです(はてブで言及しました)。しかし「慰安婦」問題否認派が言わんとしているのは、煎じ詰めればこういうことです――人身売買ネットワークを軍が(国家が)公式に利用して何が悪いのか! そりゃ、アメリカだって「本物のレイプなら被害者は妊娠しない」などというたわごとを言う議員のいる国ですから、一部のファナティックな連中がやることであればあきれつつ受け流してくれるかもしれません。しかしこれほどグロテスクなことをお上品に、冷静沈着に述べ立てれば述べ立てるほど、国際社会が日本人を見る目が厳しくなるであることは、疑う余地がありません。