ETV特集「アンジェイ・ワイダ 祖国ポーランドを撮り続けた男」

昨日再放送されたETV特集のうち、まずは「アンジェイ・ワイダ 祖国ポーランドを撮り続けた男」を観おわる。最新作『カティン』だけがとりあげられているわけではなく、カティンの虐殺事件それ自体については一般に知られている以上の情報が含まれているわけではない。ただ、続けて放送された「悲劇の島チェジュ(済州)〜“4・3事件”在日コリアンの記憶〜」が扱っている4・3事件同様、カティンの森の虐殺は一つの暴力のうえに忘却の強制という暴力が重ねられた出来事であったのであり、その意味では『地下水道』から『鉄の男』までの主要作品における検閲との対決もまた、広い意味ではカティンの虐殺という歴史的出来事の一部を構成していると言えるだろう。そしてもちろん、


ところで、番組ではワイダ映画(の脚本)に対する検閲会議の議事録が利用されている。戦前の日本について同じようなことをしようとすれば、運良く隠滅や散逸を免れたものに頼らざるを得ないわけで…。