山本七平関連エントリ、まとめ

前回の「「七平メソッド」とは」に頂戴したブクマが50を越えたのを記念して、過去にあちこちで書いたエントリのうち主なものをリスト化。


ロッキード裁判関連
アメリカからみれば・・・
こもりんこと古森義久氏と七平センセに接点があったというのがメインで、七平センセのインチキについては簡単にしか書いていないが。とにかく渡部昇一とか小室直樹とか山本七平ロッキード裁判批判論は(1)コーチャンらは田中側にまったく接触していないので、田中を有罪にするうえではコーチャンらの証言は二次的なものでしかない、(2)丸紅の大久保被告は公判でもほとんどの容疑事実を認めている、(3)「五億円を目撃したものはだれもいない」どころか、公判には日本に5億円を持ち込んだ地下銀行の運び屋まで証人として出廷している・・・といった基本的な事実を無視してるんですな。「事実であろうと、なかろうと」スピリットを発揮しまくってます。


ユダヤキリスト教関係
コピペされ続ける間違い
古代ユダヤでは「全員一致は無効」という間違いをいまだに信じているひとがいる件について。ちなみにこの間違いについて本家をうわまわる珍妙な論法で七平センセを弁護しようとしたひともいましたな。
七平トリック
ちょちょんまげさんのエントリに便乗したかたちで。「キリスト教徒がイエスの言葉に反して誓うはずがない」という、常識さえわきまえていれば与太であることが一目瞭然の詭弁について。
イエスはなんと言ったか
上のエントリへの補足。


「百人斬り」関連
七平マジック
「百人斬り」報道に関わった鈴木元記者の手記にある「中山門に取って返した」という表現から勝手に「門の外には出ていない」と決めつける詭弁について。コメント欄では鈴木氏の手記から都合の悪い部分(鈴木氏自身が危うく日本兵に殺されそうになった体験に関わる部分)を無断で省略して引用していることも指摘しています。
私の記事ではありませんが、七平センセの「最大限3人」説についてはぜひともゆうさんの次の論考をご覧いただきたいですね。『私の中の日本軍』を虚心に読めば分かることではありますが、「最大限3人」説の根拠レスさは驚くほどです。
http://www.geocities.jp/yu77799/nihontou.html
http://www.geocities.jp/yu77799/nihontou2.html


「事実であろうと、なかろうと」
またすごいひとが現われた…
コメント欄(「一知半解」氏が登場して以降)も含めて。戦後の日本が朝鮮戦争特需で潤った、なんてことを言うと子孫が「アウシュヴィッツ」に送られるかもしれない・・・という七平センセのデマゴーグとしての本領が発揮された主張について。id:HALTANクンもきっと「恐ろしい」「見世物にしている」と思ってくれることでしょう。「朝鮮人は口を開けば、日本人は朝鮮戦争で今日の繁栄をきずいたという」という状態がどの程度変化したのか知りませんが、とりあえずわれわれがアウシュヴィッツに送られていないことは確かです。日本政府は(規模はともかくとして)南京事件の実在を認めていますが、やはりわれわれがアウシュヴィッツに送られたという事実はありません。


ホロコースト関連
山本七平のアウシュヴィッツ論
なにしろ3年以上前に書いたものなので、いまならもっと上手く書けると思うのですが、まあご参考までに。「日本人はジェノサイドのできる民族ではない」という本質主義の典型です。
ちなみに旧日本軍が主に華北で展開した治安戦はのちのヴェトナム戦争における米軍の「戦略村」という発想を先取りしたもので、「(共産主義という)伝染病に感染した集団」を「未感染の集団」から物理的に隔離し前者を殲滅しようとするものでした。

1、敵及土民を仮想する敵→殺戮
2、敵性ありと認むる住民中十六才以上六十才迄の男子→殺戮
3、敵の隠匿しある武器弾薬器具爆薬等→押収携行やむを得ざるときは焼却
4、敵の集積せりと認むる糧秣→押収携行やむを得ざるときは焼却
5、敵の使用する文書→押収携行やむを得ざるときは焼却
6、敵性部落→焼却
(北支那方面軍、「第一期晋中作戦復行実施要領」より「燼滅目標及方法」*1

*1:レイアウトはネットで表示しやすいように少し変更している。この注追記。