「歴史の評価は歴史家に任せ」

菅首相の「談話」をめぐる反応として予想通り「歴史の評価は歴史家に任せ、政治は慎重であるべき」論が出てきた。そもそも現在の国際関係にも大きな影響を与えている近現代史の評価を抜きにした政治なんてありえないわけだが、おまけにこれを言っているのがほかならぬ安倍晋三だから笑ってしまう。国際社会や学会で主流となっている歴史理解をひっくり返すべくさまざまな政治的策動をやってきた当事者ではないか。「満州に対する権益は第一次世界大戦の結果、ドイツの権益を日本が譲り受けた面があります」などと、受験生には聞かせたくない失言をしたのは誰だ? 自分が党総裁の時、歴史学の通説に逆らう議連の活動を抑制しようとしたのか?