『卜部日記・富田メモで読む人間・昭和天皇』

2008年の春に出ていた本なのに、先日書店をぶらぶらしていて初めて気がついた。背表紙くらいこれまでも見ていたはずだと思うのだが、昭和史についての関心が時期的にきわめて偏っていることを改めて自覚させられた(^^; 『入江日記』だって古書店で1〜6巻(1965年まで)を見つけて買ったので満足しちゃって、しかも目を通したのは敗戦直後くらいまでなので、宮中「魔女」事件のことなどさっぱり知らなかった。
興味深かったのは、1953年から78年までの宇佐美宮内庁長官時代の資料が『入江日記』をのぞくとさっぱり見つかっていない、というはなし。宇佐美氏が宮内庁に来た経緯すらよくわからないとのこと。明らかに氏の意思が働いているようだ。


ところで今朝の朝日新聞(大阪本社)に、ベルリンで15日から「ヒトラーをテーマとする展覧会」が始まったという記事が載っている。

 戦後ドイツにとって「ヒトラー支持」の過去は重荷で、ヒトラーは「怪物」として一面的に取り上げられることが多かった。だが、近年は多面的に紹介する動きが出ており、今回の展覧会もその流れに位置づけられる。

本書のタイトルにも「人間」という二文字が使われている。なんらかのエクスキューズなのか、それとも売り文句なのか。