河村市長が百回黒板に書き写すべき言葉

もう5年以上前に書いたエントリからの再掲です。南京攻略戦闘時に海軍パイロットとして空爆に参加し、戦後は航空自衛隊の空将にまでなるとともに保守派(ないし右派)の戦史記者でもあった奥宮正武氏には、『私の見た南京事件』(PHP)という著書があります。南京陥落後、氏は撃墜された同僚パイロットの遺体を探すために南京市内をめぐり、日本軍パイロットの遺体が中国の慈善団体紅卍会によって埋葬されているのを発見します。河村たかし流に言えば、「大虐殺があったのなら、日本軍パイロットの死体を埋葬するはずがない」ということになりますが、奥宮氏は率直に「そのような手厚い取り扱いをしてくれた紅卍会の人々に感謝せずにはいられなかった」と記しています(40ページ)。敵味方を越えて死者に敬意を払った人々に対して、やはり敵味方を越えて敬意を払う態度とはこういうものです。