横山エンタツ、南京訪問時の日記発見

もう一月ほど前のニュースですが、「わらわし隊」の一員として1938年の1月に南京を訪問した漫才師、横山エンタツの日記の写しが発見されたことを『朝日新聞』が報じました(1月19日朝刊)。1月23日に南京に到着していますので、まだ埋葬の終わっていない遺体が多数あった時期です。また、東京裁判での判決によれば虐殺が収束したとされている時期でもあります。記事では次のような記述が紹介されていました。

その当時は敵の死体で一ぱいだったそうだが凡(すべ)て我軍の制理であとかたもなし しかし川にはあちこち浮んで居る

皆ハンゴウをあけてかき込みの最中 兵隊さんの足許(あしもと)に十五六の死体が並んで居る

死体の浮んで居たクリークの水 揚子江の水を呑(の)んだと新聞でよく見たがそれを僕達は始めて体験した

否定論者はよく「死体など見なかった」という参戦兵士の証言を引き合いに出しますが、それがいかに無意味なことであるかがよくわかります。
なお「わらわし隊」については、NHK が2010年に「戦場の漫才師たち〜わらわし隊の戦争」で紹介しています。