最近のアメリカの戦争映画を観ていると、衛生兵の描写にけっこう重点が置かれているという印象を受ける。昔の戦争に比べて、戦傷の描写が非常に生々しくなっていることとも関係があろうし、また「アメリカ軍は戦傷者にできる限りのことをする軍隊だ」というメッセージでもあるのだろう。例えば太平洋戦争での日米間の比較を行なえば、後者のメッセージが一定程度事実を反映している*1のも事実だとは思うが、イーストウッドの『父親たちの星条旗』ではもう一方の、酷薄な現実(米軍だって見捨てるときは見捨てる)を二箇所に盛り込んでいた。