産經新聞その他の憶測敗れたり

トラックバックをいただいたDr-Setonさん経由で。サンダンス映画祭の公式サイトにテッド・レオンシス製作の南京事件に関する映画の情報が。原文はDr-Setonさんのところと青狐さんのところで既に紹介されているので、一部をざっと翻訳。

1937年の冬、中国の都市南京に侵攻した日本軍はさらに寄る辺なき住民を抹殺しはじめた。20万人が殺害され、数万の中国人女性が強姦された。暴虐のただ中で中国在住の少数の欧米人グループ?宣教師、ビジネスマン、大学教授、そして医師たち?が市民を保護するための安全区をつくりだそうと試みた。彼らの目を通して、手紙や、日記や、その他の破壊の記録によって、ビル・グッテンタグとダン・スターマンはこの恐ろしい時期の出来事を明らかにする。

被害者の中に相当数の捕虜・敗残兵が含まれることはこの短い紹介の中では明らかにされていないが、「20万」という数字から基本的には東京裁判の事実認定に近いスタンスをとっていることが推測できる(アメリカ人ならそれが自然な発想だろう)。『レイプ・オブ・ナンキン』が原作だ、という右派の主張はもともと根拠がなかったわけだが、その誤りが公式に確定したと言ってよいだろう。


なおこの紹介文では、南京事件における被害の実相を描くだけでなく「個人がもたらし得る大変なインパクト」もまた主題となっていることがうかがえる(これまた、アメリカ人ならば自然な発想だ)。その意味で『ホテル・ルワンダ』のアプローチに通じるところがあるかもしれない。