Fisrt Into Nagasaki、その4

これまでのエントリは以下の通り。
検閲された長崎潜入ルポ、米で刊行
Fisrt Into Nagasaki、ファーストインプレッション
First Into Nagasaki、セカンドインプレッション
Fisrt Into Nagasaki、その3


先週は仕事が忙しくてあまり読み進んでおらず、ウェラー記者はまだ大牟田(福岡俘虜収容所第17分所)です。
ウェラー記者による捕虜たちへのインタビューを読むと、広島での原爆の爆発(キノコ雲)を目撃したというはなしが繰り返し出てきます。大牟田有明湾に面した、九州の西側の街なのですが。電信で送るための記事原稿ですから各捕虜の談話は極めてコンパクトにまとめられておりどこまで元々の発言のニュアンスを伝えているか疑問も残りますが、他方で(長崎での爆発についての証言も含めて)まだ原爆についての事後的な知識が普及する以前に聴取した証言だという点で興味深いものがあります。
(おそらく)9月12日に執筆された原稿では、収容所が赤十字による視察をどのようにごまかしたかが記されています。実際に赤十字が連合国にどのような報告を送っていたかと照らし合わせてみるとよいのでしょうが、そのあたりはいずれ時間が取れたら。