「新聞と戦争」、「飛行機物語(1)]

朝日新聞夕刊の連載、「新聞と戦争」。昨日、今日は飯沼正明の死について。
「飯沼正明」と聞かされてもピンと来ないが、「神風」号による東京〜ロンドン間の世界最速飛行記録の樹立者、と言えば「ああ、あの時の…」と思う人も少なくないだろう。他ならぬ私がその一人なのだが。
日中戦争勃発直前に国民的ヒーローとなった飯沼はしかし、対英米戦突入直後の12月11日、プノンペンでなくなる。陸軍は「壮烈なる戦死」と報じたが、実は徴用されてサイゴンからプノンペンへと飛行した際、誘導路で陸軍機のプロペラに巻き込まれた事故死だった、と言う。戦争中に真実が明らかになることは、もちろんなかった。