『証言 南京事件と三光作戦』


森山康平著、太平洋戦争研究会編、『南京事件三光作戦』、河出文庫


以前に紹介した『知られざる証言者たち 兵士の告白』同様、もともと『週刊アサヒ芸能』に連載され、その後新人物往来社から『証言記録 三光作戦――南京虐殺から満州国崩壊まで』として単行本化されたものを文庫化したもの。従軍将兵の生の声ではなく編集されたものではあるが、南京事件についての研究者の取材・調査とは重ならない内容も含んでいる点には値打ちがある。まだざっと斜め読みした程度だが、中国大陸における日本軍の戦争犯罪の類型を一通り把握するにはなかなかよい本ではないかと思う。