いや出発点から一歩も動いてないんですが?(追記あり)

http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/20080812/p1

自分でいちいち説明するのも面倒になったので(すいません)、またコピペで済ませます。

いや、それは自分で何かをきちんと説明したことのある人間のみが言いうる台詞です。さらに、君にはその徳保氏の文章を引用する資格はない。なぜか?

他者をナチス呼ばわりした(!?)ドイツ史の専門家氏のロジックを理解せよ、と要求されているのだとすれば、そんな要求は飲めません。
(http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/20080810/p1)

と主張した人間が、

hokusyuさんの説明も、理屈はわかるけど、正直、大袈裟というか、いちいちこんな話題をそこまで広げるの? という、そういうところで違和感をぬぐえない。感覚の違いなのか、バカは想像力が足りませんね、だから困るんですよ、ということなのか。理屈はわかる、と、共感する、は違うんですよね。
(http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/20080812/p1)

をあたかも自分の主張を代弁するものであるかのように引用するのは、欺瞞以外のなにものでもないからだ。なお徳保氏に対しても言わねばならないことはあるが、ここでは簡潔に三点だけ述べておく。まず私自身が問題にしたのは「トリアージ」を引きあいに出したことそれ自体より、それに対する反発を「ナイーブ」のひとことで切り捨てたことの方だ、ということ。第二に、ホロコーストの進行を同時代人の視点で眺めれば、そこには「大きな話」ばかりではなく「小さな的」に見えたようなステップもあったのだ、ということ。最後に、これはHALTAN君にも早い段階で指摘しておいたことなのだが、hokusyu氏は「例え話」をしたのではないから、当たり前の「例え話」論を持ち出されてもそりゃ違いますよ、ということ。

だから私は、HALTANさんが、Apemanさんを、福耳さんや麻生さんと区別することに疑問を感じない。過去の言葉の選択について、「(全面的に)間違っていたとは考えていない」点で共通するにせよ、「以後、自粛する」と「正しい言葉の選択を改める理由はない」では、それなりに違いがあります。

これまたHALTAN君が自己弁護に使える言葉ではない。彼は初手から「Apemanさんを、福耳さんや麻生さんと区別」していたのであって事後の対応に基づいて区別したのじゃない。なお、私は福耳先生が「一歩引く」感性を示したとは思っていないがこれはまあここでの論旨に影響しない。

だってfuku33先生は別にナチスでも全体主義者でもないから。

これもまったく答えになってない。典型的な論点ずらし。K416さんのご指摘(ここの「「ある人の論が帰結することはこうなんじゃない?」と「ある人はこういう人なんじゃない?」ってのは別ですよ」の部分)も無視しているし。ホロコーストに関わった人間はみな骨の髄まで反セム主義・反ボルシェヴィズム・優生思想・アーリア人至上主義が染み込んだ全体主義者だったのか? 答えはもちろん「ノー」であって、「資源の最適な配分」を計画する自身の能力に誇りを持つ官僚がホロコーストの舞台裏を支えたりしていたわけだ。
それに、民主党は「ナチスドイツ」なのか? 違うと言うなら麻生発言はなぜ「軽率」なだけで「恐ろし」くもなく「声高に」でもなく「見世物を楽しんで」るわけでもないのか? さっぱり分からない。接点が見つからない。

仰りたいことがよく分かりませんが、自分は「何事も本当に『分からない』ことは『分からない』と可能な限り、正直に言うのが原則」だと素朴に思っておりますので、それを律儀に実践したまでで御座います。

なんでそんな嘘をつくかな? 「場違い」「場違いな文脈」「見世物を楽しんでる」「恐ろしい」・・・これはみんな「分からない」を逸脱してるだろ?(「分からない」から「恐ろしい」のだと言われれば、最後の項についてのみははなしがつながるが。)


というわけで、「もうそろそろ」
http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/20080812/p2
どころか、はなしはただの一歩も前に進んでいないわけ。というか、「分からない」から「場違い」へとエスカレートしたことで、こっちはよりいっそう「分からなく」なってしまってるわけ。

素朴な話で恐縮なのですが、あたかも他者を全体主義者であるかのように言うアナロジーは良くないのではないでしょうか? 自分はこのことしか言っていないと思うんです。

これも嘘ですね。「アナロジーじゃない」と反論しておいたことをスルーしているのは別としても。

拙のことは「あたまがわるい」とも「ただのバカ」とでも何とでも罵倒して下さって結構ですので、もうこの件は終息ということで願えないでしょうか?

君のことは「あたまがわるい」とも「ただのバカ」とも思いません。根拠もあげずに他人を Disって平気な、そして抗議を受けると次々に論点をずらして誤摩化す不誠実な人間だ、というのが私の君に対する現時点での認識です。その認識を改めたいと思うかどうかは君次第ですが。
もうひとつつけ加えるなら、「ワンフレーズで表現してみせることに知的プライドを感じている人」かな? 以前にも「「ホロコーストについて言えば、「優生学はなぜ否定されねばならないのか?」という問題でしょうし」発言や「左翼やフランス人が懸念するような他者に対する不寛容な雰囲気こそが「言論の自由」から生じているという逆説が存在する国」発言についてそう評しましたが、例の「階級闘争史観」がまた新たな例証となってくれました。

金持ちから金取れるって豪語したの、Apeman氏本人だよな、だいたい。そういう発想がすぐに出てくるのってさ、「階級闘争史観」の影響じゃないの?そういう影響がまったくないってほんとに言えるの?それでさ、藁人形だの何だのあんたがたにいえる権利あるわけ?
(http://d.hatena.ne.jp/zoppo03/20080810)

これ、引用のしかたから判断して自分の見解を代弁させているものと理解してはなしを続けるけど、所得の再配分を要求したら階級闘争史観? これこそ「なんでそんな大きな話に飛躍するのか分からない」よ。だいたい、世が世なら「この修正主義者め!」って言われるような主張でしょうが。ケインズ階級闘争史観か? お気に入りにワンフレーズを大事に抱え込んで、そこからはみ出す現実を全然見てないわけですよ。


追記:コメント欄で「地獄への道は・・・」という格言に言及しましたが、これをポル・ポトとセットで使うひとがいます。最近の例だととある経済学者の著作を「ポル・ポトまがいの抑圧思想に直結していて戦慄させられる」と評した書評を絶賛するブクマコメントを書いた人物が、「地獄への道は善意で」というタグをつくってますな。このブクマに使われてるわけじゃないけど。しかしもっと直裁な例があります。第151回国会参議院憲法調査会第5号における、参考人渡部昇一センセイです。

参考人渡部昇一君) 平等主義というのは大変美しい言葉でございまして、ダンテだったと思いますが、地獄への道は善意をもって舗装されているというのがあったと思いますが、平等主義というのは私は地獄へ至る道だと思っております。
 というのは、我々が知っております宗教の偉い人、キリストでもいいし、マホメットでもいいし、釈迦でもいいんですが、この世における平等は決して口にしませんでした。死んだ後まで含めての神の前の平等とかそういうことであります。
 ところが、釈迦もキリストも言わなかった平等を唱えた人もおります。そして、それを実行した人もおります。そこの国はどうなったか。釈迦もキリストも言わなかったことを言うというのは、しゃれみたいなものですけれども、これは悪魔です。ですから、マルクスレーニンのつくった国ではいかなる粛清が行われましたか、毛沢東の時代の中国ではどのぐらいの粛清が行われましたか、ポル・ポトのもとでカンボジアはほとんど三分の一ぐらいの人が平等の名のもとで殺されております。文化革命のときは、ほとんどインテリ階級を絶滅させる意図さえありました。インテリとそうでない人は不平等だからであります。したがって、我々の歴史的なここ五十年くらいあるいは百年ぐらいの知識だけでも平等を唱えた国はいずれも地獄になっております。
(http://www.sangiin.go.jp/japanese/kenpou/keika_g/151_05g.htm)

マタイ福音書ではなるほど「幸いだ、義に餓え渇いている者たち、その彼らこそ、満ち足りるようにされるであろうから」とされているのに対して、ルカ福音書では「幸いだ、いま飢えている者たち、あなたたちは満腹するだろうから」とされており*1、そしてルカの方が本来の伝承に近い表現である・・・というのは新約聖書学の常識だと思うので、イエスが「この世における平等は決して口にしませんでした」というのは護教論的なバイアスかかりまくりの発言ですが、まあ上智大学名誉教授の渡部センセイのことですから、この点は深く追及しますまい。で、「相続税の税率を100%にしろ」という主張を批判するためではなく、相続税を廃止しろという主張のためにポル・ポト文革といった人類史的な「悲劇」をひきあいに出した渡部センセイに対して、どう反論すべきでしょうか? 接点が見つからない、飛躍だ、悲劇を声高に連呼して見世物を楽しんでる・・・ですませばよいのでしょうか? どうせ拙はあたまがわるいですから・・・と拗ねていれば、無事相続税廃止を阻止できるのでしょうか? HALTAN君にとってはそれで十分なのでしょうが、私はそうは思わない。要するに、こういうことです。


http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/20080812/p2

Apemanさんも飽きませんな〜。

ひとのことを言えるの? 少なくとも「「リジョインダーは行いません」としましたが、新しいエントリを上げておられることに気づきましたので・・・」なんて書いた人間が追記部分の冒頭で言うことじゃないよな。飽きる・飽きないで言えばとっくに飽きてますよ。だって、新しいことはなに一つ出てこないんだから。したがってこっちの言うことも最終的には「Disるなら根拠示せや」ってことに尽きるわけだけど。

ただ以下は「トリアージホロコーストがどうこうといった問題が直接に絡まない記述」と当方が勝手に判断致しましたのでお答え致します。

「以下」の部分も例によって単なる論点ずらし。

*1:「貧しいものは幸いだ」というのもルカ福音書の表現で、マタイでは「霊において貧しいものは・・・」。