「状況」をみて考えるべきことと「状況」とは関係なしに考えるべきこと


時事ドットコム 2009/02/02 「渡り、次の内閣も禁止をと麻生首相=総務相、日本郵政への検査も−参院代表質問

(前略)
 靖国神社への参拝に関し、首相は「靖国神社への参拝は多くの方々が心情に基づいて行っている。首相の立場は個人的な心情と異なるが、状況を見て判断したい」と明言を避けた。自民党の水落敏栄氏への答弁。

世の中には野党の「政権担当能力」を疑問視することを使命と心得る自称リアリストの方々がおられるわけだが、そういう方々はいま現在、靖国参拝について首相に質問する与党議員の政治的センスについてどう思っているのだろうか。
それはさておき、麻生首相の答弁である。「状況を見て判断したい」んだそうだ。状況次第で参拝するかしないかが決まる、ということであろう。普通の日本語感覚で解釈すれば。しかし首相が靖国参拝を行なうかどうかは、それを批判する側から見ても推進しようとする側から見ても日本政府がアジア・太平洋戦争という歴史をどう認識しているかに関わる問題であり、政教分離の原則をどう理解しているかに関わる問題である。どこをどうとっても「状況」次第で答えが変わってくる事柄ではないはずだ。