福岡県遺族連合会がA級戦犯分祀を提言

戦後責任

このブログや旧本館には時々「左翼はA級戦犯分祀を主張している」と思い込んで的外れなコメントをしにくる人がいます。もちろん、A級戦犯の合祀はアジア・太平洋戦争（およびそこにおいて靖国神社が果たした役割）に対する靖国神社の立場を反映しており、左翼が一般に靖国神社の歴史認識に強く反対していることは言うまでもありません。しかしながら、少なくとも私に関する限り、問題の核心は靖国神社がかつて果たし、また戦後も果たし続けている役割なのであって、A級戦犯の合祀は二次的、三次的なものにすぎません。A級戦犯を合祀したことが首相・閣僚の靖国参拝にとって障害になっていることはむしろ好都合とすら言えます（もっとも、A級戦犯の合祀ゆえに首相が靖国参拝を控える、という事態は決して望ましいことではないですが）。むしろ保守派のなかで「遺族としては戦争責任者の方々は靖国神社に祭られるべきではないと考えている」（新宮松比古・福岡県遺族連合会会長代行）という問題意識がもっと早く、もっと広範に共有されなかったことこそ、驚くべき事態ではないでしょうか。