「実の親を殺したのは 育ての親だった」

アルゼンチンの「五月広場の祖母たち」というグループの活動についての報道を、過去に2度とりあげました。
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20100801/p1
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20111129/p2
この国家犯罪をとりあげた番組が、昨月18日に放映されました。

「あなたの両親は実の両親ではない。実の両親を殺したのは育ての親だ」と知らされたら。70年代、アルゼンチンの軍事政権は、左派と見なした若者を誘拐し、3万人以上を殺害した。なかには、妊婦が誘拐されるケースがあった。母親は出産後に殺され、赤ん坊は軍人らによって養子にされたのだ。最近、その事実が次々と明らかになっている。子供たちは、すでに30代。衝撃の事実に生みの親と育ての親の間で苦悩する彼らを見つめる。

番組では主として2人の“奪われた子ども”に焦点をあてていましたが、そのうちの一人、養父を「大好きだった」と話すヴィクトリアさんは、当初は調査への協力を拒否したとのこと。「反逆者の血が流れている」という真相を知った時には「自分自身が生涯の敵となったよう」に感じた、とヴィクトリアさんは言います。養父から実の両親を殺害した(作戦の指揮を執った)という告白を聞かされたヴィクトリアさんは「なんて素敵!」と語った、とヴィクトリアさんの夫が証言しています。「最悪でした。本当にいたたまれませんでした」、と。この国家犯罪の残虐さが特に際立つ証言でした。